会 場: 彦根勤労福祉会館たちばな
[滋賀県彦根市大東町4-28  電話:0749-23-4141 JR彦根駅西口徒歩3分]
http://tachibana.html.xdomain.jp
主 催: 鍛造分科会
趣 旨: 板鍛造は板成形と冷間鍛造を組み合せた工法であり,曲げや深絞りを中心とする板成形で作成された厚板品に,部分的な据込み,圧縮,押出しのような冷間鍛造成形を加えて高い寸法精度の複雑形状品に仕上げる加工方法です.この工法は鋳造,熱間鍛造,粉末焼結されていた部品や,リベット・溶接で接合して完成していた部品の代替工法として,部品のコンパクト化・軽量化や製造コスト削減に適していると考えられています.最近利用の増えている多軸プレスによる大幅な工程数削減の可能性もあり,今後の発展が期待されている分野です.今までに各種の工法が提案され板鍛造に適した材料・プレス機も販売されるようになりましたが,多くの板プレス技術者,鍛造技術者にとって経験の少ない分野であり,工程設計は必ずしも容易ではありません.本講座では今まで開発された製品事例と加工方法の紹介を行うとともに,プレス,潤滑剤,シミュレーション,材料などの板鍛造に関係する周辺技術の取り組み,活用事例,動向についても併せて紹介します.
第一日目プログラム:    
開会の辞(10:20~10:30) 日本塑性加工学会
鍛造分科会主査
名古屋工業大学 北村 憲彦君
午前の部(10:30~12:00) 司会 (株)ニチダイ 近藤 靖之君
午後の部(13:00~16:45) 司会 大阪大学 松本  良君
時  間 内  容 講  師
10:30~11:15 板鍛造技術の現状と将来:まず,今までに内外で発表された板鍛造関連の文献を紹介し,この技術の世界的な動向を概観する.次に,板鍛造に共通した技術的な課題を抽出し,それらの解決・対処方法について説明する.最後に,板鍛造の今後の技術的な可能性について述べる. 大阪大学
小坂田宏造君
11:15~12:00 トヨタにおける板鍛造部品への応用:自動変速機に使用される板金部品において,部分的に材料流れをコントロールすることにより加工精度を高め,工程数削減や部品の軽量化を行った事例について紹介する. トヨタ自動車(株)
梅田 武志君
12:00~13:00 昼  食 ・ 休  憩    
13:00~13:40 機械プレスでの板鍛造のためのプレス要件と成形事例:板鍛造は,低荷重・小変形の板金成形工法と高荷重・大変形の冷間鍛造工法を組み合わせた多工程成形が基本となる.本稿では,多工程成形に対応する機械プレスの要件と製品へのプレスの影響と実際の成形事例を紹介する. アイダエンジニアリング(株)
井村 隆昭君
13:40~14:20 多軸油圧プレスによる板鍛造:まだ認知度の低い油圧プレスの特長を生かした多軸油圧プレスの紹介と,板鍛造を含めた多軸油圧プレスによる成形荷重の低減や工程数を削減した事例を紹介する. 森鉄工(株)
森  孝信君
14:20~15:00 板鍛造におけるシミュレーションの利用:板の鍛造はビレットの鍛造に比べて,自由表面が多く,材料流れが予測し難い一面を持っている.そのため,工程設計においてCAE技術は不可欠な道具となっている.本講演ではCAEの活用事例を紹介するとともにCAEの技術課題について解説する. 岐阜大学
王  志剛君
15:00~15:15 休  憩    
15:15~15:45 サイベックにおける精密板鍛造技術CFPの高度化に向けた取り組み:サイベックにおけるコア技術はCFPであり,高精度転写技術に基づく取り組みで精密板鍛造技術を確立してきた.一方,近年顧客から求められる部品は高精度・高品質且つ低コスト化が求められ,従来のCFPでは対応が極めて困難である.新しいCFPを模索し,高度化に向けた取り組みを紹介する. (株)サイベックコーポレーション
平林 巧造君
15:45~16:15 板素材を使った冷間鍛造への取り組み:豊島製作所で板素材を使って加工している製品の中から,2部品の一体化や中間処理(焼きなまし,ボンデ)を削減,1工程での歯型成形を行っている事例等を紹介する. (株)豊島製作所
斉藤 次男君
16:15~16:45 冷間フォーマーにおける板鍛造の取り組み:冷間フォーマーは横型の鍛造機で素材はコイル材を使用して,小物の自動車部品やネジ部付き部品等を高速で生産する機械として普及してきた.ユーザーのニーズの一つに,フォーマーでの板鍛造への対応がある.適応事例および,最近のフォーマーの開発状況について説明する. (株)阪村エンジニアリング
松井 正廣君
17:00~18:50 懇 親 会(彦根勤労福祉会館たちばなにて)    
第二日目プログラム:
午前の部(9:00~11:20) 司会 (株)メタルアート 岡嶋 一晃君
総合討論+コンサルテーション 司会 大阪大学 小坂田宏造君
時  間 内  容 講  師
9:00~9:40 板鍛造における摩擦と潤滑油の活用:板鍛造における増肉や厚板打抜きに関係する摩擦や潤滑の例,および成形形状に及ぼす素材の塑性異方性と摩擦の影響を解説する 名古屋工業大学
北村 憲彦君
9:40~10:20 板鍛造用の鉄鋼材料:板鍛造において材料に求められる特性を説明し,板鍛造用の鉄鋼材料を紹介する.またCAEに有用な大ひずみ域における変形抵抗測定手法についても紹介する. 新日鐵住金(株)
加田  修君
10:20~10:50 ニチダイにおける板鍛造の取り組み:板鍛造は複雑形状品を高精度に成形する工法として有効である.また,複動成形を用いることでコンパクトな設備で成形することも可能である.ここでは,複数アイテムで構成されていた部品を板鍛造により一体化した事例などを紹介する. (株)ニチダイ
村井 映介君
10:50~11:20 提案型低コストものづくり技術:近年世界規模の価格競争により,高品質,高性能を維持しながら,低賃金の海外生産品以下の30%低コスト化が求められている.この厳しいコスト競争を勝ち抜くために,プレス加工への工法展開事例やネットシェイプ,ニアネットシェイプ化の取り組み提案事例を紹介する. (株)平安製作所
田邉  晃君
11:20~11:40 総合討論+コンサルテーション 全講師
11:40~12:50 昼  食 ・ 休  憩  
12:50~13:50 バスで移動 12:50~14:00バスで移動  
13:50~15:30 工場見学(株)平安製作所 14:00~15:40 工場見学(株)ニチダイ
15:30~16:30 バスで移動 15:40~16:20 バスで移動
16:30 解散(JR米原駅) 16:20 解散(JR京都駅)
定   員: 80名 定員になり次第締め切ります.
(同業者の工場見学はご遠慮いただく場合がございます.)
参 加 費: 鍛造分科会委員18,000円,日本塑性加工学会会員21,000円,一般24,000円(学生会員は半額),懇親会:3,000円   
(参加費にはテキスト代を含みます)
見学先説明: 見学先の受入れ人数に制約があるため,下記のように定員を決めさせていただきます.
(株)平安製作所:定員30名(板鍛造工場および切削,検査ラインなど) 
(株)ニチダイ :定員50名(金型工場および鍛造工場(新5軸複動プレス)など)
申込方法: 専用の「参加申込書」(鍛造分科会HP(http://www.jstp.or.jp/commit/forging/)にご記入後,E-mail,FAXにて下記までお申し込みください.
※専用の「参加申込書」以外でのお申込みの場合は,
  「第44回鍛造実務講座申込」と題記し,
  (1)氏名,
  (2)会員資格(会員番号),
  (3)勤務先(名称・部課名),
  (4)通信先(郵便番号・住所・電話番号・FAX番号・E-mailアドレス),
  (5)送金方法(銀行振込・郵便為替),
  (6)懇親会の参加の有無,
  (7)工場見学については,
    ①見学しない
    ②平安製作所,定員以上の場合 ニチダイに変更可
    ③平安製作所,定員以上の場合 見学なし
    ④ニチダイ,定員以上の場合 平安製作所に変更可
    ⑤ニチダイ,定員以上の場合 見学なし
  (1)~(7)項を明記の上E-mail,FAXにて下記までお申し込みください.
  お申込み後,参加券および請求書を郵送します.
当日は支払い業務ができませんので,必ず前もって参加費のお振込みをお願いいたします.
申 込 先: 鍛造分科会事務局 阿部 宛  
E-mail: tanzo@forgenet.biz,
電話:090-5896-4521,FAX:0564-47-7688
注  意: 昼食は各自でお願いいたします.
講演中の撮影・録音は禁止します.
見学先の判断により見学をお断りする場合がございます.
工場見学先へ直接問合せは行わないようお願いいたします.